人のことを熊なんて言った、あんたが悪いのよ(待ち時間に軽く読む短篇集・3)

 人のことを熊と言ったから表紙


【作品紹介】

人のことを熊なんて言った、あんたが悪いのよ(待ち時間に軽く読む短篇集・3)

 

駅で列車を待つ隙間時間、病院の待合室など、待ち時間に軽く読める短篇集です。

3編収録。今回は、サイコ・ホラー系の物語になります。

○文字数 約3万2千文字 縦書き

※第三話 「わたしを愛したまま、死んで」は、ブログ日記という設定のお話です。そのため、第三話だけ横書きで、文章ルールはわざと無視しています。

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【目次】

○手

部屋の中に、突如現れた「手」。不気味な家系にまつわる因縁が、動き始める・・・

○人のことを熊なんて言った、あんたが悪いのよ

ダイエットのために、登山に来た、わたし。

通りすがりの登山者から「小熊ちゃーん、小熊、小熊」と馬鹿にされたことから、運命が反転しはじめ――道を踏み外していく。

○わたしを愛したまま、死んで

あたしのねーたんゎ。。。「天使」って呼ばれてます。。。


 

本書の試し読みはこちら

 

メイキング・オブ「人のことを熊なんて言った、あんたが悪いのよ」

 

 

 サイコ・ホラー系の物語を書きたくなったきっかけ

 

待ち時間に軽く読める短篇集シリーズでのわたしの作風は、「勧善懲悪」系で、悪人は必ず報いを受ける流れになっていました。

ですが、今回はその逆。

 

それというのも、海外ドラマ「ブレイキング・バッド」を全シーズン観たからですね。

 

主人公のウォルター・ホワイトは天才的な頭脳をもつ科学者にもかかわらず、うだつのあがらない高校の教師。しかも、給料が安くて、洗車場でかけもちバイトをしている始末。

インテリのウォルターが、似合わない洗車場の仕事でやな感じの上司にイビられ、頭を下げる。家庭はかかあ天下な雰囲気で、息子のジュニアは障害持ち。おまけに妻は妊娠中。

成功した人生とは言えないものの、それでも真面目に清く正しく生きてきたウォルター。そんな彼がガラッと変わったのが、ガン宣告でした。

 

どん底の彼が、かつての自分の会社と研究のおかげで大富豪になった友人夫妻のパーティに参加します。あの発明は、自分のものだったのに・・・。豪邸、ありあまる富、素晴らしい人脈と名声、今の自分のみすぼらしさと、大富豪夫妻との差が、さらに惨めに感じます。

 

本当なら、彼らの成功や富は、自分のものだった。

 

ずっと真面目に生き続けてきた、清く正しく生きた人生の返礼が、これか?

 

ウォルターは、すっかり変わりました。

 

誰よりも、犯罪から縁遠かった存在だったのに、ドラッグディーラーの元締めに。自分の才覚をフルに使って、権力と金を手に入れます。

 

 

 虐げられた真面目人間が、人生を取り戻す物語

 

ブレイキング・バッドをみている最中、「これは、一体どういう物語なのかな」と考えていました。

そして、途中でわかりました。

 

「これは、清く正しく生きてきたのに虐げられ、人生を奪われた人間が、自分の人生を取り戻す物語だ」と。

 

これまで真面目一途に、清く正しく美しく生きてきた・・・

でも、とうとう、人生で報われることはなかった・・・

本当にこれでいいの? 人生? 

ちゃんと生きてるのに、頭を踏まれ続けたままで、いいの?

悪いことをしてでも、のしあがってやる。

今まで搾取された人生を、取り戻す。

 

ブレイキング・バッドをみていて、ゾクゾク〜っとしました。

 

アメリカで大人気だった、というのもうなずけます。ただ、日本での反応はイマイチ? ドラッグを扱った話だからかもしれませんね。

悪人が活躍する、一種の下克上、ピカレスクロマンというのも日本でのウケが悪い原因でしょうか。

 

ウォルターはもともとは善人、というか、追い詰められさえしなければ悪いことは絶対にしないタイプの人間でした。

彼の場合は、頭が良すぎて、善悪の垣根を超えてしまっているのが普通じゃない点です。彼の妻や息子は普通の人間ですから、彼のことを決して理解できませんでした。善も悪も、社会から植え付けられた観念ですから、本来は存在していません。

ウォルターは罪を犯す前から、そのことは知っていたはずです。

 

常識というルール。

 

盤上ではルールが絶対ですが、ひっくり返してしまえば、ルールは存在しなくなります。

 

善悪を超える人間。奪われた人生を、取り戻すこと。

 

この点に、非常に感銘を受けました。

 

ホラーはもともと好き 

 

ゾンビが大好きですので、ホラー系はもともと好きです。ホラーは、つぎにどうなってしまうんだろう・・・というドキドキ感がたまりません。

「手」は、よくある話といえば、そうかも。

 

最近は、田舎の閉ざされた社会に興味があって、誰も出入りできない小さな村での陰湿な出来事や、特殊な村ルール。おどろおどろしい村の神様を祀る儀式・・・などに惹かれています。閉鎖された社会は、人間の本性をあぶり出すのに最適な題材です。

「小さな村」の世界をもっと掘り下げて、そのうち、ドロドロしたお話をもっと書いてみたいなーと思います。

 

「人のことを熊なんて言った、あんたが悪いのよ」は、虐げられ続けた真面目人間が、ある出来事を境に道を踏み外していく作品です。「道を踏み外す」というところを、書きたかった。あと、犯罪心理学かなんかの本で、「犯罪者は、一度成功した犯罪を繰り返す」とありました。

 

先日、結婚相談所で高齢で病気持ちのお金持ちの男性と結婚して、同じ手口でつぎつぎに殺害してお金を奪っていた後妻業のおばさんがいましたが、一度成功すると、何度も同じ手が使えると無意識に思ってしまうようです。

この作品の「わたし」も、たまたま成功した犯罪体験を元に、道を踏み外していくさまを想像していただけるはずです。

 

※「本性」という言葉を見ると、発狂するひとへ。こっちみないでくださーい!

 殉愛は、ありまぁす

 

「わたしを愛したまま、死んで」は、今話題の元ネタを知らないと、わけわかめのお話かもです。

 

たまに、こういう作品を書きたくなります。

 

わけわかめの方は、わけわかめのまま、放置でお願いします。

 

 

 

 


人のことを熊なんて言った、あんたが悪いのよ(待ち時間に軽く読む短篇集・3)

 

 

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