「何かすごいことが起こりそう」なのに何も起こらなかった電子書籍の個人出版

一番最初に出版した「Kindle出版で週末作家になる」って、いつごろだったかなあ、と出版年月日を調べると2013年3月10日のこと。

個人が自由にアマゾンという大きな出版市場へ乗り出せるとあって、ワクワク感最高の状態で書いた本。今はもう2016年の秋。はやいねえ。

 

世の中にはきっと、埋もれたままですごい才能を眠らせている人がいるだろうし、自分じゃなくても世論を動かすようなすごい作品が出現し、電子書籍は革命を起こすかもしれない。

という『かもしれない』の可能性にかけて、たくさんの個人作家が生まれ、アーリーアダプターの試行錯誤が続けられ、出版上の困難もみんなそれぞれの経験や知恵をネットで共有しながら出版をつづけた。

手応えはゼロ、というわけではなくいくらかの手応えはあったし、実力が認められた人は商業出版で紙の書籍化もされている。

 

けれど、それで何か出版業界をゆるがすような何かが起こったかと言えば何も起こらなかった。電子書籍の売上はあがってもそれは漫画ジャンルであって、文字のみの書籍では時代の流れを動かすような何事も起こらなかった。

『数年たてば』という思いも、数年がすでにたって、相変わらずで。個人作家たちはほそぼそと、定年退職した老人たちが記念に自伝を書いて出版したよ、というものに似た満足感が得られればそこそこ幸せという状況。

 

お金に関して言えば収入と呼べるほどのもではなく、金にならない場所に活気は生まれず、「何かすごいことが起こりそうだったのになあ」とため息をつく。

皮肉にも、金にならないのがわかっているからこそ、金のためではなく純粋に作品を世に出したいという欲求だけで出版する結果となる。しかし、金にならないというのは、誰も金を出す価値がないと思っているからそうなっている。自己満足のためにだけ出版するほど、承認欲求は高くない。

 

つまんないなあ、うん、つまんない。

みんなどこに行ったのだろう? つまらないからどこかへ消えてしまった。

 

つまらないと言いつつも、書くのがやめられない自分がいるけれどもね。